人間の世界でもよく「野球界のサラブレッド誕生!!」「サラブレッドが舞う!!」の文字が新聞にならぶことも少なくない。彼らは祖父の世代がすごい選手だった、とか一族代々、同じような人生を歩んでいる、といった意味で、「サラブレッド」というコトバを使っているみたい。しかし、本場のサラブレッド、つまり競馬予想の世界でのサラブレッドはこんな生ぬるいものではない。まさに「純血主義」。いや「超純血主義」といっても過言ではない。その交配には耳を疑いたくなるような手段で行われたケースもあるほどで、サラブレッド誕生に命を注いだ者も少なくない。つまり、サラブレッドは「人造馬」なのである。ちょっと言い方を変えれば「自然界には存在し得ない馬」ということになる。自然の摂理に従えば、動植物は子孫を残すために自然交配をし、その結果、様々な雑種が生まれることになる。人間界にもある程度国境とかいう概念を捨て去れば、移動がより自由になり、やがて人種という概念がなくなるだろう。しかしサラブレッドというのは完全に「恣意的な交配」である。あの馬とこの馬を強制的に交配させ、種としての純粋性を高める。このことから、実はサラブレッドを遡れば、同じ馬にたどり着くことになる(世界的にはその「元祖」は3頭に分類される)。サラブレッド(thorough=完璧な bred=血)はよく言えば「人間の最高傑作」、悪く言えば「人間の横暴の結果」でしょうね。